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男性特有の薄毛「AGA」とは?治療薬の効果と選び方のポイント

男性特有の薄毛「AGA」とは?治療薬の効果と選び方のポイント

髪の生え際の後退や頭頂部の薄毛が気になる方は、AGAの可能性があります。AGAは、クリニックで治療を受けることが可能な薄毛の状態です。進行を抑えるためにも、できるだけ早めの受診を心がけましょう。主な治療法は薬物療法となりますが、プロペシアやミノキシジルなどさまざまな治療薬があります。今回は、AGAに効果が期待できる治療薬の働きやメカニズム、選び方のポイントなどについて詳しくご紹介します。

男性特有のAGAとは

男性特有のAGAとは

そもそも、AGAとはどのような薄毛なでしょうか。その特徴や原因、メカニズムについて詳しくみていきましょう。

AGAの特徴

AGAは、「Androgenetic Alopecia」の略称で、日本では「男性型脱毛症」とも呼ばれています。思春期以降に前髪の生え際が後退したり、頭頂部の髪が薄くなったりすることが特徴です。どちらかの症状が先に現れることもあれば、両方の症状が同時に現れることもあります。

AGAの原因とメカニズム

AGAの原因は完全には解明されていませんが、男性ホルモン説が有力です。男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼによってジヒドロテストステロンに変化し、毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合することで、前髪の生え際や頭頂部の髪の成長を抑えてしまいます。

その結果、髪が十分に育たなくなり、短くて弱々しい髪が増えてしまうのです。そのような髪が部分的に増えると、地肌が見えて薄毛が目立つようになります。AGAを放置すると薄毛の範囲が広がっていくため、できるだけ早く治療を受けるようにしましょう。

また、AGAには遺伝も関係があるといわれています。男性ホルモン受容体の感受性が高く、5αリダクターゼの活性度が高くなる遺伝子が受け継がれることで、AGAのリスクが上がります。

また、AGAの女性版をFAGAといい、AGAと同じく男性ホルモンが発症に関係しています。髪の成長が妨げられることで、髪が全体的に薄くなります。

生活習慣を見直そう!AGA対策(対処法・予防法)の基本

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2019/11/25

AGAの治療薬の効果とメカニズム

AGAの治療薬の効果とメカニズム

AGAの治療薬は複数あるため、それぞれの働きや効果、特徴について確認しておきましょう。

治療薬の働きと特徴

AGA治療薬の働きは、「薄毛の進行を抑える」「発毛を促す」の2つです。AGA治療薬の特徴をみていきましょう。

・フィナステリド

AGAを招くジヒドロテストステロンの生成に必要な5αリダクターゼII型を阻害する成分です。結果的にジヒドロテストステロンの生成が阻害されるため、AGAの進行を抑える効果が期待できます。もともとは、前立腺肥大の治療薬として開発されましたが、抜け毛の減少や増毛の副作用がみられたため、AGA治療薬として開発が進められました。

・デュタステリド

5αリダクターゼI型を阻害する成分です。従来では、AGAの原因は5αリダクターゼII型だとされていましたが、5αリダクターゼI型も関係していることがわかりました。5αリダクターゼI型II型の両方を阻害することで、より強力にジヒドロテストステロンの生成を阻害します。

・ミノキシジル

ミノキシジルは、もともとは高血圧の治療に使用されていた成分で、発毛の副作用が認められたため、発毛剤として開発が進められました。髪の毛包に作用して、髪の成長を促すことが特徴です。

・スピロノラクトン

利尿作用のある薬で、高血圧の治療に使われています。ジヒドロテストステロンと毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体との結合を阻害することで、AGAの進行を抑えることが特徴です。増えすぎた男性ホルモンを抑える働きがあるため、女性の薄毛治療に使用されています。

AGA治療薬の効果

それでは、クリニックや病院で処方されるAGA治療薬の概要と効果について詳しくみていきましょう。

・プロペシア

フィナステリドを有効成分とするAGA治療薬で、アメリカのメルク社が開発しました。5αリダクターゼII型を阻害することで、結果的にジヒドロテストステロンの生成を阻害するため、AGAの進行抑制の効果が期待できます。

増毛や育毛の効果は認められず、規定より多く服用しても効果が高まるわけではありません。頻度は低いものの、勃起不全や性欲減退、射精障害、精液量の減少などの副作用があります。プロペシアは、皮膚科や薄毛専門クリニックなどで処方されることが多いポピュラーなAGA治療薬です。

・ザガーロ

デュタステリドを有効成分とするAGA治療薬で、グラクソ・スミスクライン社が開発しました。5αリダクターゼI型とII型の両方を阻害することで、より強力にジヒドロテストステロンを阻害します。また、プロペシアの目的がAGAの進行抑制であるのに対し、ザガーロはAGAの改善を目的としています。ザガーロの副作用は、性欲減退や勃起不全、射精障害などです。

・アボルブ

ザガーロと同じくデュタステリドを有効成分とするAGA治療薬です。5αリダクターゼI型とII型の両方を阻害することで、AGAを改善させます。副作用は、射精障害や性欲減退、勃起不全などです。

AGAの治療薬を選ぶ際のポイント

AGAの治療薬を選ぶ際のポイント

AGAの治療を受ける場合は、病院やクリニックを受診しましょう。医療機関によって取り扱いのあるAGA治療薬が異なり、患者に合ったものが処方されます。その際には、自分の希望を医師に伝えて、最適な治療薬を処方してもらうことが大切です。それでは、AGA治療薬の選び方のポイントを詳しくみていきましょう。

・どれだけ早く改善したいかで選ぶ

AGA治療薬には、併用できるものとできないものがあります。プロペシアとザガーロ、アボルブはメカニズムに重複する部分があるため、併用できません。しかし、ミノキシジルであれば作用が異なるため、併用が可能です。

できるだけ早く改善したい場合は、プロペシアやザガーロ、アボルブと一緒にミノキシジルを処方してもらいましょう。ただし、プロペシアやザガーロ、アボルブは女性の使用が認められていません。医師に相談することで、女性でも使用できるAGA治療薬を処方してもらえます。

AGAによって薄毛の範囲が広がると、コンプレックスが原因で外出や人とのコミュニケーションに支障をきたす場合があります。そうなる前にできるだけ早く改善することが大切になってきます。ミノキシジルと一緒にプロペシアやザガーロ、アボルブなど、効果的な使用を考えていきましょう。

・持病や体質を考慮して選ぶ

持病や体質によっては、使用できるAGA治療薬が限られてしまいます。例えば、ミノキシジルは高血圧治療にも使用されるため、すでに高血圧の治療薬を服用している方は使用できません。また、プロペシアやザガーロ、アボルブには、勃起不全や射精障害、精液量減少などの副作用があるため、男性不妊の原因となります。そのため、妊活が終わってから飲むことをおすすめします。

また、すべての薬にいえることですが、薬剤アレルギーが起こる可能性があります。そのため、かゆみや発疹、吐き気、倦怠感、食欲不振などの症状が現れた場合は、服用を中止して医療機関を受診しましょう。薬剤アレルギーが起きた場合は、その薬は使用できません。

・治療費の予算で選ぶ

AGA治療には保険が適用されないため、治療費は医療機関で大きく異なります。費用の相場は、1ヵ月あたりプロペシアが5,000~7,000円、ザガーロが8,000~10,000円程度です。複数の治療薬を併用すれば、それだけ費用が高くなります。また、初診時には初診料や検査料などがかかるため、AGA治療薬を1種類しか処方されない場合でも、10,000~15,000円程度はかかるでしょう。

毎月、継続的に数千円~数万円の費用がかかることは負担になるため、無理なく続けられるようにAGA治療薬を選んでください。また、AGA治療薬を安く入手するために、個人輸入代行業者を利用する方もいますが、偽物や粗悪品が送られてきたり、詐欺にあったりする恐れがあるため、必ず医療機関で処方してもらいましょう。

加えて、AGA治療薬が体質に合うか、持病で服用している薬との相性に問題がないかは、医師や薬剤師でなければ正確に判断できません。重大な副作用が現れる恐れもあるため、個人輸入代行は利用しないことが肝要です。

AGA治療薬は自分にあったものを選ぶことが大切

AGA治療薬は、自分にあったものを選ぶことで正しい効果が現れます。必ず医療機関を受診して、体質や持病、予算をふまえて選ぶようにしましょう。しかし、時間がなくて受診できないという方もいるでしょう。

そのような方には、遠隔診療アプリのアイメッドがおすすめです。アイメッドに登録されている医療機関で遠隔診療を受けられます。スマホやタブレット、パソコンの画面を通して診療を受けられるため、遠い医療機関に時間と交通費をかけて毎月通う必要がありません。何かあったときでも、気軽に遠隔診療を受けられるため、安心してAGA治療を受けられるでしょう。

監修者

河村優子(かわむら・ゆうこ)

河村優子(かわむら・ゆうこ)

アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。

保有資格

  • 日本抗加齢医学会専門医
  • 日本麻酔科学会専門医
  • 日本レーザー医学会認定医 ほか
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