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亜鉛は薄毛改善の大きな味方?亜鉛の果たす役割・適量などを詳しく解説

亜鉛は薄毛改善の大きな味方?亜鉛の果たす役割・適量などを詳しく解説

「最近、髪のボリュームがなくなってきた」「若いころと比べると髪のコシが失われた」などと感じている方はいませんか?悩んでいる方の中にはもう若くないから......とあきらめがちな方もいるかもしれません。しかし、その薄毛は本当に年齢のせいなのでしょうか。実は、髪が薄くなる原因は加齢だけではありません。

食事の摂り方や睡眠方法など日ごろの生活習慣も、髪のボリュームの量を左右する要素の一つ。何をどのように摂取しているかが、育毛効果にも関与しているのです。今回は、薄毛に必要とされる栄養素の中から、特に「亜鉛」にスポットを当てて薄毛に亜鉛が効くとされる理由や摂取すべき量、摂取する方法などについて解説していきます。

亜鉛は髪の成長に不可欠な栄養素

亜鉛は髪の成長に不可欠な栄養素

亜鉛はミネラルの一種で、さまざまな働きをもっています。そうした働きの一つが、「食事で摂取したタンパク質を、筋肉や骨、臓器、髪の毛などの組織に変える」というもの。タンパク質を髪の毛に変える際に欠かせず、育毛効果が期待できるとされている栄養素なのです。

大半の育毛サプリメントには亜鉛が含まれており、定番成分の一つといってもよいでしょう。1日に摂取すべき亜鉛の推奨量は成人男性で約10mg、成人女性で約8mgです。もし、亜鉛が不足しがちな場合はどういった問題が起こるのでしょうか。

日ごろの食事で、亜鉛の必要量をなかなか摂取できない方は、育毛効果どころか抜け毛や薄毛、白髪などさまざまな頭皮のトラブルを抱える可能性が高くなります。これは、亜鉛がケラチンを生成し、5αリダクターゼ酵素を抑制していることによります。つまり、髪のもとである栄養素を補給しAGAの原因を抑制することにつなげます。

亜鉛の摂取量は多くても少なくてもダメ

ケラチンは、ビタミンBによって分解されたタンパク質がアミノ酸になり、アミノ酸からさらに変化したもの。ケラチンは、髪の毛の約99%を占めており、ケラチンがなければ健康な髪の毛が生えることはありません。

亜鉛はアミノ酸からケラチンを生成する際に重要な役割を果たす、髪の成長には不可欠な栄養素なのです。亜鉛が不足しがちな状態では、どれほどすぐれた育毛剤を用いたとしても、その効果はほとんど見込めないでしょう。

さらに、薄毛や抜け毛の原因となる「男性ホルモンと5αリダクターゼの結合」を抑制する働きをも担っています。5αリダクターゼは、もともと健康な身体を作るために必要なもの。がっしりした身体作りや精子生成、性欲上昇などに欠かせない男性ホルモン(テストステロン)を補助する酵素ですが、この働きが、薄毛や抜け毛を引き起こす原因ともなるのです。

亜鉛の持つ「5αリダクターゼ酵素の抑制」という働きが薄毛・抜け毛予防につながるとされるのは、このためです。

もちろん、亜鉛を摂取しさえすれば、薄毛・抜け毛を改善できるというわけではありません。亜鉛を使ってアプローチできるものもあれば、できないものもあります。血行不良や不規則な生活習慣などが引き金となって、はげてしまう場合もあるということです。しかも、亜鉛を必要以上に摂取すると、さまざまな副作用が出る可能性があり、毛が抜けることすらあります。

つまり、薄毛・抜け毛予防のためには亜鉛をただ摂取すればよいというわけではなく、必要な量を必要なだけ摂取することが重要です。次の項目で、亜鉛の必要量や過剰に摂取してしまった場合の副作用などを詳しく解説していきましょう。

亜鉛は1日にどのくらい必要なの?

亜鉛は1日にどのくらい必要なの?

亜鉛の働きの一つが、髪の毛の主成分であるケラチンの合成です。このため、亜鉛不足の状態では、髪の毛を生成しにくくなります。髪の毛の生成に支障をきたさないために目安となる亜鉛の摂取量はどのくらいになるのでしょうか。

厚生労働省の発表による「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」では、亜鉛の1日の摂取量として、成人男子10mg、成人女子8mgを推奨しています。男女で推奨量が異なるのは、体格の差によるもののため、体格によっては推奨量に個人差が出ることにも注意しましょう。また、妊娠中・授乳中の女性の場合は、2~3mg付加されています。

亜鉛を摂取しすぎた場合のリスクは?

1日の摂取量の上限とされるのは、成人男性で40~45mg、成人女性で35mg。摂取量が制限されるのは、習慣的に過剰な量の亜鉛を摂取すると何らかの副作用が出るからです。ほぼすべての人に健康障害をもたらさないとされる摂取量を上限量として定めているため、この量を超えると、副作用のリスクが高まることになります。

この許容上限摂取量を上回って摂取してしまうと、銅の吸収を阻害するという亜鉛の働きによって、銅欠乏症を引き起こす可能性があります。銅欠乏症になると、銅不足の状態に陥り、鉄などもうまく吸収できなくなるため、貧血やめまい、たちくらみなどの不調が出るのに加えて、頭皮にも影響を及ぼしかねません。

貧血になれば、頭皮の血行も悪くなり、頭皮に必要な栄養が十分にいきわたらなくなります。これによって、毛根も栄養不足になり、脱毛などの症状が現れるリスクが高まるのです。薄毛・抜け毛予防のためにと亜鉛を摂取したのに、かえってはげてしまうのでは、まさに本末転倒といわざるを得ません。

日常生活で亜鉛を過剰に摂取する可能性はほとんどなし

しかし、日ごろの食事から過剰な量の亜鉛を摂取することは、まず考えられません。嘔吐や吐き気、脱水症状、発熱といった亜鉛過剰症のリスクが高まるのは、1日100mg以上を長期的に摂取した場合です。

経口摂取なら、1日50mgを1週間以上にわたって摂取する必要があり、亜鉛が豊富なことで知られる牡蠣でも、上限を超えようと思えば15個以上を毎日のように食べなければなりません。

また、亜鉛は、他の栄養素と比較すると身体に吸収されにくく体外に排出されやすいため、実際の吸収率は約30%。日ごろの食事で意識して亜鉛を摂るようにしていても、実際には摂取できていない人が大半です。

厚生労働省の国民健康栄養調査によれば、1歳以上の男性における1日あたりの摂取量は平均で8.9mg、1歳以上の女性は平均7.4mgとなっていて,推奨量と比較しても若干不足気味です。推奨量に近い亜鉛を摂取するためには、亜鉛が多く含まれる食材をかなり意識して、積極的に摂る必要があります。次の項目で、それらの食材を紹介していますので、確認していきましょう。

亜鉛を効率よく摂取し、しっかり吸収するためには?

亜鉛を効率よく摂取し、しっかり吸収するためには?

1日に必要な亜鉛を効率よく摂取し、しっかり吸収するためには、どのような食事を心がければよいのでしょうか。ここでは、亜鉛を多く含む食材とその食べ方、より効率的な調理法などを紹介しつつ、亜鉛を無駄に消費しないために心がけておきたい生活習慣などを解説します。

亜鉛は日本人の主食である白米やパンなどからも摂取でき、お米100gあたり0.6mg、パン100gあたり0.8mgの亜鉛が含まれています。普段から口にしている食材の多くに含まれていますが、亜鉛を豊富に含む食材は以下のようなものです。

亜鉛を豊富に含む食材?

<動物性の食材>(100gあたりの含有量)

  • 牡蠣(13.2mg)
  • 煮干し(7.2mg)
  • タラバガニ(4.2mg)
  • うなぎ(2.7mg)
  • 干しエビ(3.9mg)
  • ホタテ(2.7mg)
  • 豚レバー(6.9mg)
  • 牛肉肩ロース(4.6mg)
  • ビーフジャーキー(8.8mg)
  • 卵黄(4.2mg)
  • 鳥もも肉(2.0mg)

<植物性の食材>(100gあたりの含有量)

  • アーモンド(4.4mg)
  • プロセスチーズ(3.2mg)
  • 納豆(1.9mg)
  • ごま(5.9mg)
  • 干しエビ(3.9mg)
  • 大豆(3.2mg)
  • わかめ(0.9mg)
  • 乾燥ひじき(1.8mg)
  • 焼きのり(3.6mg)
  • 落花生(3.0mg)
  • ピュアココア(7.0mg)
  • 抹茶(6.3mg)

亜鉛の豊富な食材を調理する際のポイント

亜鉛を摂取するため、こうした食品をメニューに組み入れる際には注意点があります。なぜなら、亜鉛の効果を高める調理法と亜鉛の働きを阻害する調理法があるからです。亜鉛の吸収をサポートし、その効果を実感するために大切なのは、亜鉛と同時にビタミンB群(B2・B6)とビタミンCを摂取すること。反対に、カルシウムや植物繊維、カフェインやタンニンなどは、亜鉛と結びつき体外へと排出されやすくする働きがあるため、これらの成分と一緒に摂取しないようにしましょう。

亜鉛を効率よく摂取するために覚えておきたいレシピ

・あさりひじきご飯

亜鉛を摂取しやすいレシピの一つが、あさりひじきご飯です。あさり・ひじきという亜鉛の含有量が多い食材を同時に炊き込むもので材料は、米、ひじき、あさりのむき身、しょうゆ、酒、塩のみ。

研いだ米(2合)にしょうゆ(大さじ2分の1)と酒(大さじ1)、塩(小さじ4分の1)を加えたあと、分量通りに水分を加えます。そのうえに、あさり(100g)とひじき(10g)をのせて炊くだけ。非常にシンプルで、簡単に亜鉛を摂取できるすぐれたレシピです。

・牡蛎のレモンバターソテー

もう一つのおすすめレシピは、牡蠣のレモンバターソテーです。これは、亜鉛が豊富な牡蛎1パックを使って、レモンバターとしょうゆで炒めるもの。牡蠣を軽く塩もみしてぬめりをとり、水洗いして水分を取り除いたあと、片栗粉をまぶしてバターで炒めます。中火で5分ほど加熱したあと、しょうゆをたらせば完成です。

レモンに含まれるビタミンCとクエン酸、バターの主成分・動物性たんぱく質が亜鉛の吸収率を高めてくれるため、非常に効率的に亜鉛を摂取できます。

亜鉛の摂取は適量を心がけよう

ここでは、亜鉛が果たす役割と、薄毛との関係を中心に解説してきました。亜鉛は、髪の主成分であるケラチンの生成に欠かせない栄養素であると同時に、薄毛・抜け毛の原因の一つである男性ホルモンを抑制する働きがあります。亜鉛を摂取すれば、薄毛・抜け毛予防につながるとされるのは、このためです。

しかし、亜鉛を必要以上に摂取すると、さまざまな副作用を引き起こしかねません。亜鉛を適量摂取するためには、日ごろの食生活を見直す必要があるでしょう。

ただ、平日は仕事に忙殺されていて、亜鉛の豊富な食材を選んで料理するなどというひと手間を加えられないという方もいるのではないでしょうか。その場合は、病院で薄毛・抜け毛治療を行うという方法もあります。忙しくて病院にも行けないという方は、オンライン上での受診を可能にする総合医療アプリ・アイメッドはいかがでしょうか。いつでもどこでも医師の診断を受けることができ、治療薬などの処方も簡単です。時間をかけずに、適切な方法で薄毛・抜け毛に対処できます。

亜鉛など、髪の生育に必要な栄養素をしっかり摂取しながら、医師の指示を仰げば、大切な髪の毛を守ることができるはずです。アイメッドで気軽に受診しながら、薄毛・抜け毛を改善していきましょう。

監修者

河村優子(かわむら・ゆうこ)

河村優子(かわむら・ゆうこ)

アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。

保有資格

  • 日本抗加齢医学会専門医
  • 日本麻酔科学会専門医
  • 日本レーザー医学会認定医 ほか
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