抜け毛の本数は季節で変わる?抜け毛が増える時期と対策
2020/1/31
抜け毛が増えると薄毛の始まりではないかと不安に感じる方もいるでしょう。なかには、季節性の抜け毛など、それほど心配のない抜け毛もありますが、適切に対処しなければ薄毛につながる可能性もあります。季節性の抜け毛について詳しく確認しておくことが大切です。ここでは、抜け毛が増える季節とその原因や対策についてご紹介します。
1日に抜ける毛の本数とヘアサイクル
髪は生え変わりを繰り返しており、抜け毛があること自体は問題ではありません。1日に抜ける髪の本数は、100本程度です。ただ抜ける本数は個人差があり、日によって抜け毛の本数は異なります。髪1本ごとに、ヘアサイクルという生え変わりの周期があり、成長した髪はやがて自然に抜け落ちる仕組みです。
ヘアサイクルを構成するのは、成長期、退行期、休止期の3つ。髪が生える成長期では、2~6年かけて髪が成長。そして、髪の成長が止まる退行期へ移行し約2週間で休止期に入ります。休止期では、毛根が完全に退化し、約3ヵ月で自然に抜け落ちます。髪1本ごとにヘアサイクルが異なるため、髪が一気に抜け落ちることはありません。
季節性の抜け毛の原因と症状
抜け毛は、ある季節に増加します。なぜ、季節によって抜け毛の本数が増えるのか、その原因と症状について詳しくみていきましょう。
秋は抜け毛が増える
夏から秋にかけて抜け毛が増える場合があります。これは、夏に受けた紫外線ダメージが関係しているといわれていますが、詳しいことはわかっていません。また、夏の暑さや転勤などの関係でストレスがたまり、ホルモンバランスが崩れて抜け毛が増えるともいわれています。いずれにしても、秋は抜け毛が増えやすい季節のため注意が必要です。
夏の紫外線対策を徹底したり、心身の健康の維持を心がけたりしましょう。
春先の抜け毛が増える場合がある
春は、花粉の影響で頭皮環境が乱れて、抜け毛が増える場合があります。これも秋の抜け毛と同じく、詳しいことはわかっていません。また、冬は空気の乾燥によって頭皮も乾燥しやすく、春先に抜け毛が増える可能性もあります。
抜け毛を増やさないための対策
それでは、抜け毛を増やさないためには、どのような対策が必要なのでしょうか。季節性の抜け毛を含め、抜け毛の対策方法について詳しくみていきましょう。
・低刺激のシャンプーで頭皮をいたわる
抜け毛は、頭皮に刺激が及ぶことで増える可能性があるため、低刺激のシャンプーを使うことが大切です。毎日のシャンプーは、頭皮に大きな影響を与えます。だからこそ、低刺激なシャンプーを使うことがポイントなのです。
ただし、低刺激のシャンプーは洗浄力が弱く、皮脂汚れを十分に洗い流せない場合もあるため注意しましょう。添加物が含まれていなかったり、アミノ酸系の洗浄成分を使用していたりするシャンプーをおすすめします。
また、オーガニックシャンプーは、低刺激に思われがちですが、天然成分だからといって頭皮への刺激が少ないとは限りません。使用して頭皮に刺激を感じた場合は、使用を中止しましょう。
・適切な頻度で正しくシャンプーする
シャンプーの回数は、1日1回が基本です。過剰なシャンプーは、頭皮の乾燥を招いて抜け毛の増加を招くおそれがあるため注意が必要です。また、頭皮に負担をかけないように、正しい方法でシャンプーすることが大切です。
よくある間違いが熱い湯で洗うことです。熱い湯は、頭皮に必要な皮脂まで洗い流すため、乾燥の原因となります。また、気持ちがいいからといって爪を立ててゴシゴシと洗ったり、シャンプー液を髪に直接つけたりする行為も頭皮にダメージを与えます。
まずは、ぬるま湯で丁寧に予洗いしてから、シャンプー液を十分に泡立てて、指の腹で丁寧に洗いましょう。そして、ぬるま湯で十分にすすいでください。その後は、タオルドライをしてドライヤーで乾かしましょう。ドライヤーは、熱風で頭皮にダメージを与えないように、30cm以上離して当てることが大切です。
・カラーやパーマを控える
カラーやパーマは、頭皮に刺激を与えます。夏や冬にカラーやパーマをすると、その他の要因と重なって、季節性の抜け毛が増える可能性があります。できるだけカラーやパーマを控えることが大切です。また、ヘアカラーをすると頭皮に痛みが起こる場合は、我慢せずに美容師に伝えましょう。自分でヘアカラーをするときに痛みが起きた場合は、使用を中止してください。
・できるだけストレスをためない
ストレスは、季節性の抜け毛を増やす可能性があります。例えば、夏と冬は転勤の季節でもあるため、何かとストレスがたまりがちです。できるだけストレスをためないようにしつつ、こまめに解消させましょう。
また、起こり得るストレスをあらかじめ覚悟しておくことで、精神的なダメージを抑えられる可能性があります。例えば、転勤の可能性がある場合は、転勤後の生活をイメージしておくと、辞令を言い渡されたときのストレスを軽減できるでしょう。
このように、考え方を工夫したり心の準備をしたりして対策することが大切です。また、1日1回は好きなことをして過ごすなど、ストレスを翌日に持ち越さないようにしましょう。
・栄養たっぷりの食事をとる
栄養不足は、髪の成長に悪影響をおよぼすため、抜け毛の増加につながります。栄養を摂取すれば季節性の抜け毛を減らせるわけではありませんが、健康な髪を保つために栄養を意識的に摂ることが大切です。
タンパク質やビタミン、ミネラルなど、髪の健康を保つためには、さまざまな栄養が必要になります。特定の食べ物を食べるだけでは、栄養が偏ってしまうため、肉や魚、野菜、果物などをバランスよく食べましょう。どうしても栄養が偏る場合はサプリメントで補うのも一つの方法です。
しかし、サプリメントにもさまざまなものがあります。過剰摂取にも気を付けましょう。
・頭皮マッサージで頭皮の血流を促す
頭皮マッサージによって、頭皮への血流を促して髪の成長をサポートできます。ストレスや冷えなど、さまざまな原因で血流が悪くなるため、季節性の抜け毛対策として習慣づけることが大切です。頭皮マッサージの方法は次の通りです。
- 髪の生え際を指で押し上げて2秒キープする
- 今度は指で引き下げて2秒キープします。これを数回繰り返す
- 頭の両サイドを両手でつかみ、指の腹で円を描くようにマッサージする
- 頭頂部に向かって頭皮を引き寄せる
- 頭頂部から逆方向へ頭皮を引っ張る
・紫外線対策で夏のダメージを抑える
抜け毛は、紫外線の影響で増加するため、入念に対策しましょう。帽子をかぶったり、頭皮用の日焼け止めを塗ったりしてください。特に、夏は強い紫外線が降り注いでいるため、短時間の外出時にも十分に対策することが大切です。
・帽子で花粉対策する
春先の抜け毛対策として、花粉から頭皮を守るために帽子をかぶりましょう。また、室内に入るときは、帽子や服についた花粉を落とすことが大切です。花粉アレルギーのある方は、可能な限り外出を控えたほうがいいでしょう。花粉アレルギーの薬を処方されている場合は、用法用量を守って適切に服用することが大切です。
・保湿ローションで頭皮のうるおいを保つ
頭皮の乾燥を防ぐために、保湿ローションを継続的に使いましょう。保湿ローションは、グリセリンやヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分が含まれたケア用品で、頭皮に水分を与えたりうるおいを維持したりする役割があります。
特に、冬は頭皮が乾燥しやすいため、積極的に使うことが大切です。また、保湿ローションを使用しても頭皮が乾燥する場合は、シャンプーの頻度や方法が間違っていないか確認しましょう。
抜け毛の増加はAGAの可能性も!まずはクリニックを受診しよう
抜け毛が増えた場合、必ずしも季節によるものとは限りません。もし、AGAによる抜け毛であれば、そのまま進行して薄毛になるおそれがあります。そのため、抜け毛が増えた場合は、一度クリニックを受診することが大切です。AGAでは、前髪の生え際が後退したり頭頂部が薄くなったりするため、セルフチェックが可能ですが、素人では正確に判断できないため、医師に相談したほうがいいでしょう。
しかし、近くにクリニックがなかったり、忙しくて受診できなかったりする方もいます。そのような方におすすめなのがアイメッドの遠隔診療です。スマホさえあれば、自宅や外出先などどこからでも医師の診察を受けられます。時間や立地、交通費、手間などさまざまな問題を解消できるでしょう。
監修者
河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医
- 日本レーザー医学会認定医 ほか