頭皮が日焼けするとこんなにトラブルが!きちんと防ぎたい頭皮の日焼け
2020/3/10
頭皮の日焼けは、さまざまなトラブルを引き起こします。頭皮トラブルがあると、例えばシャンプーがしみたり、薄毛や白髪が進行したりする可能性があるのです。頭皮の日焼けを防ぐために、適切な対策を行うことが大切です。今回は、頭皮の日焼けが原因で起こるトラブルや日焼けの予防対策について詳しく解説します。
頭皮の日焼けで起こり得るトラブル
日焼けとは、肌に熱ダメージが加わることでメラニン色素が多量に生成され、肌に沈着した状態です。メラニン色素は褐色しているため、日焼けをすると肌が茶色や黒色になります。頭皮が日焼けすると、次のようなトラブルが起こる可能性があります。
ヤケドする
頭皮が強い熱ダメージを受けた場合は、ヤケドになります。ヤケドは、しばらくして症状が和らいでくると、かゆみが現れます。かゆみがあるために引っかいてしまうと、炎症が強くなったり色素沈着したりする恐れがあるため注意が必要です。
炎症が完全に治まると、日焼けしたところの皮膚がめくれて、フケが出ることも。
白髪や薄毛のリスクが上がる
頭皮の日焼けは、白髪や薄毛のリスクを高める可能性があります。髪を色づけているのは、紫外線を浴びた肌を茶色や黒色に変色させるメラニン色素です。白髪は、何らかの原因でメラニン色素を生成できなくなることで発生します。紫外線を浴びた頭皮は、活性酸素が多量に生成され、メラニン色素を生成するメラノサイトにダメージを与えるとされています。
その結果、メラニン色素を十分に生成できなくなる可能性があるのです。また、紫外線がメラニン色素を分解して、髪を白っぽくする恐れもあります。さらに、紫外線は頭皮に炎症を引き起こすことで薄毛のリスクを高める恐れもあるため注意が必要です。
ただし、紫外線を浴びたらすぐに白髪や薄毛になるわけではありません。ダメージの蓄積によって、白髪や薄毛のリスクが上がっていくため、今日からしっかり日焼け対策することが大切です。
ヘアカラーが色落ちする
ヘアカラーは、キューティクルを開いて髪に色素を染み込ませる仕組みです。紫外線は、髪をコーティングするキューティクルを破壊し、ヘアカラーの色素を流出させるといわれています。その結果、ヘアカラーが色落ちして明るくなる恐れがあるのです。また、紫外線が直接メラニン色素を分解することで、ヘアカラーを施した髪の色が変わってしまう場合もあります。
髪・頭皮の乾燥
紫外線によってキューティクルがダメージを受けると、髪の水分が流出して乾燥やパサつきなどのトラブルが起こります。また、髪を構成するタンパク質が流出することで、切れ毛や枝毛の原因にもなってしまいます。さらに、頭皮が乾燥して刺激を受けやすくなり、頭皮環境が乱れがちになる恐れもあります。このように、紫外線は髪と頭皮の両方に悪影響を及ぼすため注意が必要です。
髪や頭皮の日焼けの予防対策
髪や頭皮の日焼けの予防法と対処法について詳しくみていきましょう。
頭皮の日焼けの予防方法
頭皮の日焼けは、未然に防ぐことが大切です。完全に防げなくても、予防対策を実践することで、頭皮へのダメージを抑えられます。次のような方法で予防しましょう。
・UVカットの帽子をかぶる
帽子をかぶることで、紫外線を物理的にシャットアウトできます。ただし、紫外線を通さないUVカットの防止を選びましょう。UVカット率99%のものがおすすめです。ただし、厚い帽子は蒸れやすいため、通気性がよいものを選んでください。頭皮が蒸れると雑菌が増えやすくなるため、頭皮環境が乱れる恐れがあります。
・UVカットの日傘をさす
UVカット率99%の日傘をさすことで、紫外線をシャットアウトできます。帽子と組み合わせれば、さらに強力に紫外線を防げるでしょう。男性は、日傘を利用するのに抵抗があるかもしれませんが、メンズ用の日傘も販売されているので検討してみてください。
・髪用の日焼け止めスプレーを使う
日焼け止めといえば、顔や身体に塗るものをイメージするかもしれませんが、実は髪用の日焼け止めもあります。髪に使う日焼け止めはスプレータイプで、髪から10~15cmほど離して吹きかけるだけで完了です。2~3時間ごとにスプレーしなおすと、紫外線対策の効果を維持できるでしょう。
また、汗をかいたりタオルで頭を拭いたりした後も、日焼け止めスプレーをし直してください。日焼け止めスプレーには、SPFとPAの値が設けられています。SPFは、短時間で肌の表面に炎症を引き起こすUVBの影響を受けるまでの時間を引き延ばす指標で、PAは肌の奥深くへ入り込み、肌の弾力を失わせるUVAの防止効果を示します。
屋外での軽いスポーツではSPF30、PA+++、炎天下でのレジャーやマリンスポーツではSPF50、PA++++程度のものを選びましょう。
・分け目を変えて紫外線を頭皮に届きにくくする
髪の分け目を変えて、頭皮を髪でしっかり隠すことで、紫外線が頭皮に届きにくくなります。髪のパサつきや乾燥などが起こりますが、頭皮への影響は抑えられるでしょう。髪の分け目を自分で変えるには限界があるため、美容師に相談してください。
頭皮の日焼けのケア方法
頭皮が日焼けした場合は、次の方法でケアしましょう。
・冷たいタオルで頭皮を冷やす
頭皮が日焼けをして間もないころは、冷たいタオルで冷やすことが大切です。炎症が起きているところを冷やすことで、炎症を早く鎮められる可能性があります。
・頭皮に負担をかけないようにシャンプーする
頭皮への負担を抑えるために、正しい方法でシャンプーしましょう。ぬるま湯で髪と頭皮の汚れを流してから、シャンプーを十分に泡立ててもみ込むように洗ってください。泡が残らないように、丁寧にすすぎましょう。
・髪と頭皮にダメージを与えないように乾かす
髪と頭皮をタオルで包み込み、優しく乾かしましょう。そして、ドライヤーは頭皮と髪から30cm以上は離すことが大切です。また、ドライヤーを振りながら当てることで、熱が集中するのを防げます。
・保湿ケアで水分を補給する
頭皮用の化粧水で水分を補給しましょう。うるおいを与えることで、頭皮のバリア機能が高まり、発毛環境への悪影響を抑えられます。
改善しない場合は医療機関を受診しよう
日焼けがなかなか改善しない場合は、病院やクリニックを受診しましょう。炎症を抑える薬の処方や治療を受けられます。
春にも頭皮が日焼けするため要注意
紫外線は、4月から増え始めて5月には6月と9月と同じ量になるため、日焼けする可能性があります。夏の前後でも十分な紫外線が降り注いでいるため、しっかり日焼け予防対策をしましょう。
頭皮の日焼けが気になる場合は早めにクリニックを受診しよう
頭皮の日焼けによる悪影響が気になる場合は、早めにクリニックを受診しましょう。早く対処すれば、それだけ頭皮のダメージを早く改善できます。忙しくて受診する暇がない方はアイメッドの遠隔診療を試してみてください。自宅や外出先など、どこからでもスマホやタブレットの画面越しに医師の診察を受けられます。頭皮の日焼けが気になる方は、アイメッドのアプリをチェックしてみましょう。
監修者
河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医
- 日本レーザー医学会認定医 ほか