頭皮にニキビができる原因は?似た症状から対処法まで解説
2020/8/31
頭皮のニキビができやすい方は、原因を取り除くことを意識しましょう。また、頭皮のニキビのできやすさには個人差があります。そのため、「自分が頭皮にニキビができやすいかどうか」を踏まえたうえで、適切に対処することが大切です。
また、ニキビ以外にも、さまざまなトラブルが起こる可能性があるため、安易な自己判断は禁物です。必要に応じて医師の診察を受けましょう。ここでは、頭皮のニキビの原因や対処法について詳しくご紹介します。
頭皮にニキビができやすい人の特徴
次のような人は、頭皮にニキビができやすい傾向があります。
・皮脂が増える30~40代の男性
30~40代に差しかかると、頭皮の皮脂分泌が活発になり、頭皮の毛穴に皮脂が詰まりがちになります。さらに、皮脂を栄養源としてアクネ菌が増えることで炎症が起きて赤いニキビになるのです。30~40代は、男性ホルモンが活発になったり、ストレスでホルモンバランスが崩れたりすることで、皮脂の分泌が増加する傾向があります。
・頻繁に頭皮トラブルが起こる人
頻繁に頭皮トラブルが起こる人は、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌やターンオーバーの乱れ、睡眠不足、ストレスなどがあります。これらの原因を解消しない限りは、頭皮トラブルを繰り返すでしょう。
頭皮にニキビができる原因
それでは、頭皮にニキビができる原因について、詳しくみていきましょう。
・ターンオーバーが乱れている
ターンオーバーとは、新陳代謝によって古い角質が新しい角質と置き換わる仕組みのことです。角質は、肌の最も外側にあり、内側から上がってきた新しい角質と置き換わり、古い角質は垢としてはがれ落ちます。このターンオーバーのサイクルが乱れていると、古い角質が肌に残り、毛穴を詰まらせてしまうのです。皮脂と角質が混ざって毛穴に詰まったものを角栓といいます。
・栄養バランスの乱れや栄養不足
頭皮のターンオーバーのサイクルを維持するには、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養が必要です。また、脂質や糖質の過剰摂取は、皮脂の分泌を促します。コンビニ食や外食に偏った食生活は、栄養バランスの乱れや栄養不足を招きます。
・睡眠時間が短く睡眠の質が低い
ターンオーバーのサイクルを維持するには、十分かつ良質な睡眠が必要です。良質な睡眠をとることで、ターンオーバーに必要な成長ホルモンが多量に分泌されます。どれだけ睡眠時間が足りていても、睡眠の質が低い場合はホルモンが不足しがちです。
さらに、睡眠不足はストレスを増加させることで、皮脂の過剰分泌を招き、頭皮ニキビのリスクを高める問題もあります。
・ストレスが多い
ストレスは頭皮への血流を低下させ栄養不足を招き、ターンオーバーの乱れを引き起こします。また、男性ホルモンが増加することで皮脂が増えることも、頭皮のニキビをできやすくする要因の一つです。会社での人間関係や仕事、家庭など、身近なところにストレスの原因がある方は注意しましょう。
・シャンプーのすすぎ残し
シャンプーの泡をすすぎ残すと、油分が毛穴に詰まることでアクネ菌の栄養源になり、頭皮のニキビを引き起こします。額や耳の裏などはすすぎ残しやすい部位のため、入念にすすいでください。
頭皮ニキビの改善方法
頭皮にニキビができたときは、次のように対処しましょう。
・皮膚科を受診する
皮膚科では、頭皮のニキビに効果が期待できる薬の処方や処置を行えます。また、そもそもニキビではなく別の病気の可能性もあるため、まずは皮膚科を受診したほうが安心です。自己判断で市販薬などを使うと、薬の選び方を間違えることでニキビの悪化を招く可能性もあります。まずは、医師の診断を受けてアドバイスに従って対処することが大切です。
・生活習慣を改善する
頭皮のニキビが生活習慣によって引き起こされている場合は、生活習慣を改善することが必要です。睡眠不足や栄養不足、栄養の偏り、ストレスなどを解消しましょう。栄養バランスのとれた食事を1日3回規則正しく摂取し、快適な睡眠環境を整えてください。ストレスは、原因を明確化したうえで対策することが大切です。
・帽子の着用を避ける
帽子を被ると、頭皮が蒸れてアクネ菌が増殖しやすい環境になります。どうしても帽子を被りたいときは、通気性がよいメッシュタイプのものを選びましょう。また、こまめに帽子を脱いで頭皮を乾かすことが大切です。
・枕カバーを定期的に洗濯する
枕カバーには、頭皮の皮脂や古い角質などが付着するため、定期的に洗濯することをおすすめします。入浴後のきれいな状態で枕を使っても、寝ている間に皮脂が分泌されるため、どうしても汚れてしまいます。
ニキビ以外の頭皮トラブルの種類と要因
頭皮には、ニキビ以外にもさまざまなトラブルが起こります。ニキビ以外のトラブルと湿疹(しっしん)ができる要因について詳しくみていきましょう。
頭皮のできものの種類
頭皮には、ニキビの他に次のようなできものが現れることがあります。
・毛のう炎
毛のう炎とは、毛穴の奥にある毛根を包む毛包に炎症が起きた状態です。頭皮をゴシゴシと洗ったり爪でかきむしったりすることで小さな傷ができて、黄色ブドウ球菌などの常在菌が侵入します。ニキビのような見た目をしていますが、膿がたまることで中央部が膨らんでいるのが特徴です。また、悪化すると「せつ」と呼ばれる硬いしこりができます。
・丘疹(きゅうしん)
丘疹(きゅうしん)は湿疹の一種で、皮膚から盛り上がった1cm以内のぶつぶつのことを指します。アトピー性皮膚炎をはじめとした、さまざまな皮膚の病気で起こります。
頭皮の湿疹の要因
頭皮の湿疹は、どのような要因で起こるのか詳しくみていきましょう。
・皮脂欠乏性皮膚炎
皮脂欠乏性皮膚炎は、乾燥した皮膚にぬかのようなフケがつき、引っかくことで湿疹ができる病気です。老化をはじめとした、さまざまな要因によって皮脂の分泌が不足し、皮膚が乾燥することで発症します。入浴後の保湿ケアや、かゆみへの薬での対処などが必要です。また、必要に応じて炎症を抑える薬を使用します。
・接触性皮膚炎
接触性皮膚炎とは、原因物質に触れたところの皮膚に湿疹やかゆみなどの症状が現れる病気です。原因物質には、化粧品や衣類、化学物質、植物、金属などがあります。原因物質を遠ざけて、すでに発生した炎症を鎮める処置を行うことが大切です。
・アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったり繰り返しながら慢性的な経過をたどる病気です。皮膚のバリア機能の低下が関連していることがわかっています。バリア機能が低下すると、炎症を引き起こす物質が肌の内部へと侵入しやくなり、慢性的な炎症が起こるのです。
・脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮に炎症が起きて、脂っぽいフケが出る病気です。悪化すると、硬いかさぶたができたり、全身にも症状が現れたりするようになります。原因は、皮膚に常在するマラセチア菌という真菌が皮脂を栄養源にして増えることだと考えられています。そのため、マラセチア菌に効果が期待できる塗り薬や、炎症を抑える薬を処方することが基本です。
また、皮脂の過剰分泌を防ぐために、適切な頻度で正しくシャンプーする必要があります。慢性的な経過をたどる傾向があるため、根本の原因となる皮脂の過剰分泌を改善することが大切です。
・膿痂湿疹(のうかしっしん)
膿痂湿疹(のうかしっしん)は、頭皮が傷ついたところに細菌が繁殖して起こる病気です。爪で頭皮を引っかいたり、爪を立てて洗ったりすると頭皮が傷つきます。頭皮には、さまざまな細菌や真菌が常在しているため、傷つけないように注意が必要です。
頭皮が痛い!痛みを引き起こす原因や対処法について解説
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頭皮のニキビは皮膚科で治療を受けることが大切
頭皮にニキビができたら、早めに皮膚科を受診してください。ニキビだと思っていても、膿痂湿疹や脂漏性皮膚炎の可能性があります。また、頭皮トラブルを放置しておくと、薄毛や抜け毛の要因にもなりかねません。忙しくて受診の時間をとれない場合は、アイメッドのオンライン診療を試してみてください。
基本的に初診は対面での診療が必要になりますが、2回目からはオンライン診療を利用できる可能性があります。スマホやタブレットを通じて簡単にオンラインで診療を受けられるため、仕事が忙しい人でも病院へ通院する必要がありません。
頭皮トラブルは、慢性的な経過をたどるものが多いため、通院が必要になるケースもあります。日々の負担を減らすためにも、アイメッドのオンライン診療を活用してみましょう。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
監修者
河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医
- 日本レーザー医学会認定医 ほか