脱毛のやけどのリスクはどれぐらい?やけどの原因と対処方法について
2020/6/29
脱毛器による施術では、場合によってやけどをすることがあります。やけどをするリスクは、肌の状態や脱毛器、施術者の技術などで異なります。やけどを放置すると大きなトラブルになる恐れもあるため、原因と対処法を確認しておきましょう。ここでは、脱毛でのやけどのリスクや原因、脱毛器によるやけどの特徴から対処法まで詳しくご紹介します。
脱毛でやけどをする原因と特徴
脱毛でやけどをする原因と特徴を詳しくみていきましょう。
脱毛でやけどをする原因
脱毛では、次の要因でやけどのリスクが上がります。
・脱毛器の出力が高すぎる
脱毛で使用する光脱毛器や医療レーザー脱毛器のほとんどは、出力を自由に調整できます。肌の状態に合わせて出力を調整することが大切です。しかし、施術者の技術や知識が不十分だと、不適切な出力に設定してしまい、やけどを負うリスクが上がります。
・日焼けした肌への照射
脱毛は、毛のメラニン色素に反応するレーザーを照射し、毛にため込まれた熱によって発毛組織にダメージを与える仕組みです。実は、日焼けはメラニン色素によるもののため、日焼けした肌にレーザーを照射するとやけどをします。日焼けした肌に照射できるレーザーもありますが、基本的に日焼けしている部位には照射できません。
・脱毛器が自分に合っていない
脱毛器が自分に合わない場合、何らかの原因で肌にダメージが及ぶ可能性があります。赤みやかゆみ、やけどなど、起こり得るトラブルはさまざまです。自分に合っているかどうかは、実際に施術を受けるまでわかりません。
・肌が乾燥している
乾燥した肌は、刺激に弱いため、脱毛の施術を受けるとやけどをする恐れがあります。肌のカサつき、粉ふきなどの症状がある方は、医師に相談しましょう。また、日ごろから保湿ケアを徹底しておくことが大切です。
・色素の黒い部分に照射した
肌の色が濃いところには、通常よりも多くのメラニン色素が存在します。そのため、レーザーによって熱が発生し、やけどをする恐れが高くなります。元々、肌の色が濃い方は、脱毛を受けられるかどうか医師に確認しましょう。
脱毛の施術によるやけどの特徴
脱毛の施術によるやけどには、次の特徴があります。
・やけどとほてりの違いがわかりづらい
脱毛の施術後は、レーザーの熱の影響でほてりを感じる場合があります。ほてりは、重大なトラブルにはなりにくいため、冷却や保湿ケアで対処可能です。しかし、やけどは肌に炎症が起きているため、医師の指示に従って治療を受ける必要があります。
しかし、このほてりとやけどの違いがわかりづらい場合があるのです。「ほてりだと思っていたらやけどだった」というケースもあるため、心配な方は医師に相談しましょう。
・やけどに気づきにくい
やけどには、症状の程度に応じて1~3までのレベルに分けられます。脱毛の施術では、肌が赤くなる程度のやけどが起こり得ますが、自分ではやけどかどうか判断が難しいでしょう。ひりひりと痛む場合は、明らかにやけどをしていると考えられますが、赤みだけならやけどとは判断できません。
また、施術後の肌は敏感なため、気づかないうちに摩擦したことで肌が赤くなっているだけの場合もあります。いずれにしても、何らかの症状がみられたときは医師に相談しましょう。
脱毛後のやけどの対処法
脱毛後に、赤みやヒリヒリなどの症状が現れた場合は、次のように対処しましょう。
・クリニックやサロンに相談
まずは、施術を受けたクリニックやサロンに相談しましょう。やけどをした場合、無料で薬を処方しているクリニックもあります。やけどをしたときの対応は、クリニックやサロンで異なるため、まずは相談することが大切です。
・皮膚科を受診する
サロンの場合は医師の診察の上で薬を処方してもらうことができません。そのため、やけどをしたときは皮膚科を受診しましょう。皮膚科では、やけどを抑える処置や薬の処方を受けられます。
・やけどしたところを冷やす
やけどをしたときは、15~30分ほど冷却しましょう。冷却に氷は必要ありません。水道水で直接冷やすことで、やけどの症状が和らぎます。やけどを放置すると症状が進行し、結果的に色素沈着が起こる恐れがあるため、必ず冷やすことが大切です。
・水ぶくれができたときは触らない
水ぶくれができたときは、うっかり触ってつぶさないようにしましょう。水ぶくれがつぶれると傷ができますが、治療を受ければ1~2週間で完治が期待できます。傷をむやみに触ると、細菌感染を起こす心配があるため、できるだけ触らないことが大切です。
・やけどを放置しない
やけどを放置すると、炎症が進行する恐れがあります。炎症が強くなることで、メラニン色素が肌に沈着し、シミやくすみになる場合があるため、やけどは放置しないことが大切です。やけどは、できるだけ早く対処する必要があることを覚えておきましょう。
脱毛後のやけどのリスクを減らす方法
脱毛後のやけどのリスクを減らすには、次の方法が効果的とされています。
・出力を抑える
脱毛器の出力を抑えることで、やけどが起こりにくくなることが期待できるでしょう。ただし、出力を抑えると発毛組織へのダメージも小さくなるため、脱毛効果が低下します。そのため、発毛組織に十分なダメージを与えられる程度に出力を調整することが大切です。そのほか、肌へのダメージを抑えるための冷却やクリニックであれば抗炎症薬の塗布などを受ける方法もあります。
・脱毛期間中の日焼けを避ける
脱毛期間中は、施術部位の日焼けに注意しましょう。アームカバーや、サングラス、日傘、日焼け止めなど、さまざまなアイテムで入念に対策してください。強く日焼けをすると、元の肌に戻るまでに時間がかかるため、施術を受けるタイミングが遅くなります。脱毛期間が長くなることで、思っていた時期までに脱毛が完了しなくなるでしょう。
・使用する脱毛器の特徴を確認する
使用する脱毛器の特徴を確認したうえで、自分の肌に合っているかどうかアドバイスを受けましょう。医師であれば、的確なアドバイスが期待できます。また、クリニックによっては、複数の脱毛器を導入しています。「肌が荒れやすい」「メラニン色素が沈着しやすい」という人は、事前に相談しておきましょう。
・脱毛の前後に保湿ケアをする
脱毛前に保湿ケアをすることで、肌のバリア機能が整うため、施術によるやけどのリスクが低下します。ヒアルロン酸や乳液、クリームなどで入念に保湿ケアをしましょう。また、脱毛の施術では肌が乾燥するため、施術後にも保湿ケアが必要です。
クリニックやサロンによっては、施術者が保湿ケアをしてくれます。また、クリニックにおいては、赤みやほてりが気になる箇所に、その場で薬を塗ってもらえる場合もあります。
・色素が濃い部分への照射を避ける
色素が濃い部分への照射は、やけどの原因になるため避ける必要があります。クリニックとサロンのいずれも、色素が濃くてやけどのリスクが高い部位への照射はできません。断られなかった場合も、色素が濃い部位への照射は避けたほうがいいでしょう。
・施術のレベルが高いクリニックやサロンを選ぶ
施術のレベルは、クリニックやサロンおよび、施術者の中でもレベルが異なります。サロンの光脱毛は、施術者に資格が必要ありません。一方、クリニックの医療レーザー脱毛の施術には国家資格が必要です。そのため、安定した技術で施術ができるのはクリニックといえるでしょう。
クリニックを選ぶときも、「施術の実績や気をつけている」「安全への配慮などを確認する」といったことが大切です。
脱毛は信頼できるクリニックで受けることが大切
脱毛は、信頼できるクリニックで受けることが大切です。脱毛器を使用した脱毛はまれにではありますがやけどをすることがあります。施術者のスキルの問題や脱毛器が自分に合っていないなど、トラブルはゼロではありません。また、施術後にほてりを感じた場合、それがやけどなのかどうか判断がつきにくいでしょう。
そうした場合に、しっかりとした対応をしてくれるクリニックを選ぶことが大切です。医療レーザー脱毛は、発毛組織を破壊することで永久脱毛の効果が認められています。また、医療機関では麻酔クリームによる痛みの軽減、やけどに対する薬の処方などが可能です。
サロンは、医療機関ではないため、やけどが起こらないように冷却するだけの対処に留まります。そのため、脱毛の施術によるやけどなどのトラブルが配な方は、クリニックで施術を受けた方がいいでしょう。また、クリニックで脱毛を受ける場合でも、信頼性を十分に確認することが大切です。
監修者
河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医
- 日本レーザー医学会認定医ほか