「スクワットダイエット」が注目を集めるのはなぜ?│基礎代謝が向上する理由とダイエット方法を徹底解説
2020/9/4
「年齢を重ねるにつれて、ダイエットが難しくなった」「同じように運動して食事を制限しているのに、なかなか痩せない」といった方はいないでしょうか。これは、年齢とともに骨格筋が少なくなっていることが関係しているかもしれません。筋肉量が減少するにつれて、基礎代謝量も少なくなってしまうことがあるのです。
運動や食事制限の効果を出すために大切なのは、基礎代謝量を上げることです。そのためには、筋肉量を増やす必要があります。「筋肉量を増やす」という意味で、大きな注目を集めているのが、スクワットです。スクワットは、もともとアスリートから「BIG3」と呼ばれる3つの種目の一つで、筋トレ効果の高さで知られています。
その中でもスクワットは、使う筋肉が最も大きくカロリー消費が大きいため、ダイエット効果が高く人気です。ここでは、「スクワットダイエット」がダイエットに効果ありとされる理由、効果を実感しやすい部位、より効果的な方法などを詳しく解説しています。「筋肉量を増やして健康的に痩せたい」「気になる部分を引き締めたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
「スクワットダイエット」で筋肉量を上げれば基礎代謝量もアップ!
スクワットは、大腿四頭筋やハムストリングス、大殿筋(だいでんきん)といった下半身の筋肉を全体的に鍛えつつ、腹直筋(ふくちょくきん)や外腹斜筋(がいふくしゃきん)なども使うトレーニングです。身体の中でも大きな筋肉を鍛えるため、カロリーの消費量も大きくなります。トレーニング後には、効率よく筋肉量が上がり、身体全体の基礎代謝量もアップが期待できるため、見た目の変化も実感しやすいでしょう。
スクワットは、本来全身の筋肉に作用するものです。しかし、ウエストや太もも、お尻など、気になる部分がある場合は、スクワットの種類や回数などを工夫すれば、引き締め効果が実感できます。また、スクワットを続けることで、身体中の血流が促進されます。
「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎに、筋肉をつけることで日ごろからの血流が改善し、冷え性やむくみ、肩こりや腰痛、便秘といった悩みが解消することも期待できます。また、血流を促進することで体温も上がり、脂肪燃焼作用も高まります。
さらに、全身運動であるスクワットを行うと、お腹や背中、腰回り、腕などの筋肉量も増えます。背筋や腹筋を鍛える効果もあり、体幹バランスが整うとともに、身体全体をすっきりと引き締める効果もあるのです。
この部位が気になるなら、「スクワットダイエット」の効果大!
「スクワットダイエット」は、大腿四頭筋やハムストリングス、大殿筋など、下半身の筋肉全体を使ってトレーニングをしていきます。トレーニングによって体幹も鍛えられるため、身体全体に効果が表れてきますが、中でもより効果を実感しやすいのはヒップや太ももといった下半身の引き締め。
実際、スクワットで鍛える筋肉として一番に挙げられるのは、太ももの筋肉です。身体の中でも大きな筋肉の一つで、太ももの筋肉量を増やせば基礎代謝が上がり、痩せやすい身体に近づきます。もちろん、太ももも引き締まり見た目からはっきりわかるはず。筋肉量は増えるものの、ボディービルダーのような筋肉隆々の身体つきになるわけではありませんので、ご安心ください。
次に、効果を実感しやすいのはヒップです。「年齢を重ねるにつれてヒップが垂れてきた」という悩みをよく耳にしますが、スクワットをすることで大殿筋や中殿筋が鍛えられます。お尻を支える筋肉がきゅっと引き締まることで、ヒップアップ効果が期待できるのです。
また、スクワットは身体のあらゆる筋肉をまんべんなく鍛えるトレーニングです。そのため、下半身と同じく背筋や腹筋を鍛えることができます。スクワットをすることで、「姿勢がよくなった」「立ち姿が美しくなった」と実感できる場合は、背筋や腹筋が鍛えられ体幹がしっかりしてきたためでしょう。さらに、二の腕やウエストなど目立ちやすい部位にもはっきり効果が表れるため、ダイエットの成果を実感しやすいトレーニングの一つです。
スクワットの基本フォームやダイエットに適した回数・期間を紹介
ダイエットのためにスクワットを始めたものの、なかなか効果が出ない場合は、正しい方法でトレーニングできていない可能性があります。ここで、基本のスクワットの方法を紹介しますので、自分の方法をもう一度確かめてみましょう。
【スクワットの基本フォーム】
- 肩幅より少し広めに足を開き、つま先を少し外側に向ける
- 背筋を伸ばしてまっすぐ立つ
- 腕はまっすぐ前に伸ばすか、前で組む
- 股関節を曲げて、太ももが床と並行になるようにゆっくり腰を下ろす
- このとき、膝がつま先より前に出ないよう、重心をやや後ろに置く
- この状態で顔を上げ、背筋をしっかり伸ばして3秒間キープ
- ゆっくり元の体勢に戻る
- 一連の動作をする際、息を止めないようにして腰を落とす際は息を吸い、元の体勢に戻るときは息を吐くのがポイント
ここで紹介したのは、太ももと床が平行になるように腰を落とすパラレルスクワットです。スクワットは、膝を曲げる角度によって筋肉への負荷が変わり、主に以下の5種類に分けられます。上から順に曲げる角度が大きくなるイメージです。
- クォータースクワット:膝を45度程度まで曲げる
- ハーフスクワット:膝を90度程度まで曲げる
- パラレルスクワット:太ももと床が平行になるまでお尻を落とす
- フルスクワット:パラレルスクワットより、さらにお尻を落とす
- フルボトムスクワット:床につきそうになるぎりぎりまでお尻を落とす
パラレルスクワットは、5種類の中でも中間の角度にあるものです。膝に負荷がかかるものの、正しいフォームを維持しやすいのがメリットです。基本のフォームとしてぜひマスターしましょう。
姿見などで自分の立ち姿を確認しながらスクワットを繰り返し、正しいフォームを維持できるようになれば、トレーニング開始。何回のスクワットを1セットにするかは、本人次第です。
1回1回のフォームを大切にしながら、自分が「きつい」と感じる回数プラス1回のスクワットを目標にしましょう。自分が限界だと感じる回数をこなしていくと、筋肉に適当な負荷がかかり、効果を実感しやすくなります。
このスクワットを1日に何セットか続ければ、1週間ほどでダイエットの効果が期待できるでしょう。1日3セット以上、1ヵ月も続ければ、見た目や体重に変化が現れてきます。スクワットのトレーニングは、時間が空くと効果が薄れるため、少しずつでも毎日行うようにしましょう。
筋肉をつけやすくするという観点からは食事の直前がおすすめです。ぜひ、実践してみましょう。
気になる部位に効くスクワットを紹介
スクワットは、角度を変えても負荷が変わるため、自分にとってよりよい形でトレーニングできるのが大きなメリットです。しかし、スクワットには基本のフォーム以外にさまざまな応用編があります。どのフォームを選択するかによって、気になる部位に直接働きかけることができるため、効果を実感しやすいでしょう。
ここで、いくつかの応用スクワットを紹介します。気になる部位に効果があるスクワットを選んで、ぜひ挑戦してみてください。
シングルレッグスクワット
シングルレッグスクワットは、「ブルガリアンスクワット」とも呼ばれるものです。片足の甲を椅子などの台に乗せ、台に背を向けて立ち、前の脚を曲げて腰をゆっくり下ろしていきましょう。太ももが床と並行になるように曲げたら、ゆっくり元の体勢に戻ります。
シングルレッグスクワットは、片足だけに負荷がかかるもので、基本のスクワットよりもヒップアップ効果が高くなっています。
ワイドスクワット
ワイドスクワットは、基本フォームより足の幅がより大きくなったものです。ヒップや太ももの引き締め効果を期待している人に、ぴったりのスクワットで、大殿筋や内転筋を鍛えます。「太ももにすきまがほしい」という人におすすめです。
スプリットスタンススクワット
スプリットスタンススクワットは、両脚を前後に開いて行うスクワットのことです。後ろの脚から腰をゆっくりと落としていくもので、大腿四頭筋やハムストリングス、大殿筋などをバランスよく鍛えられるのに加えて、内転筋にも負荷をかけられるのが特徴。スプリットスタンススクワットを行えば、ヒップの周辺がしっかりと引き締まります。
バーベルフロントスクワット
バーベルフロントスクワットは、身体の前でバーベルを持ち、身体前方に重心をかけながら行うスクワットのことです。バーベルを持ちながら直立姿勢を保とうとすると、大腿四頭筋に負荷がかかります。
このため、太ももの引き締め効果が期待できるのです。バーベルを使ったフロントスクワットに不安がある場合は、ダンベルから始めるのもよいでしょう。
スクワットダイエットで引き締め効果を
ここでは、スクワットを行って基礎代謝を上げ、身体の引き締め効果を狙いつつ、体重を落とす「スクワットダイエット」について解説してきました。「スクワットダイエット」を行う際のポイントは、正しいフォームを維持しながら、毎日継続してスクワットすること。さらに、自分なりの方法を見つけることも大切です。
自分が限界だと思う回数に、ほんの少しプラスして負荷をかけていくと、身体の引き締め効果もより実感できるでしょう。
監修者
河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医
- 日本レーザー医学会認定医ほか