フルーツはダイエットに効果あり?選び方と食べ方から注意点まで解説
2020/9/4
フルーツには、糖質が豊富に含まれているため、「ダイエットには不向き」と思っている方も多いのではないでしょうか。実は、フルーツを食事に取り入れることで、ダイエット効果が期待できるのです。
ただし、食べ方を間違えると効果を得られないばかりか、逆に太ってしまう恐れがあります。そこで、今回は、フルーツをダイエットに取り入れることで期待できる効果やフルーツの選び方、食べ方、注意点まで詳しくご紹介します。
フルーツダイエットの効果
フルーツを食事に取り入れるフルーツダイエットでは、次の栄養素によるダイエット効果が期待できます。
・ビタミンA
ビタミンAには、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあります。身体への負担が少ない方法でダイエットすることが大切ですが、慣れないうちは肌の調子が悪くなりがちです。そこで、フルーツからビタミンAに変わるβ‐カロテンやリコピンを十分にとることで、肌の調子を整えやすくなります。
肌の調子がよくなったからといって、体重が落ちやすくなるわけではありません。しかし、ダイエットのモチベーションに大きく関わる部分のため、健やかな肌を保ちたいところでしょう。
・ビタミンB群
ビタミンB1は糖質の代謝、ビタミンB2は脂質の代謝、ビタミンB6はタンパク質の代謝をサポートします。ビタミンB群が不足すると、結果的に中性脂肪が蓄えられやすくなったり、筋肉がつきにくくなったりするでしょう。
筋肉量は、安静時のエネルギー消費のことである基礎代謝に影響します。筋肉が減少すれば基礎代謝も低下して、痩せにくくなってしまうのです。
・ビタミンC
ビタミンCには、脂肪細胞がエネルギー源のブドウ糖を取り込むのを防ぐ作用があります。さらに、細胞の代謝を高めることで余分なエネルギーの蓄積を防ぐ働きもあるのです。ビタミンCを十分にとることは、痩せにくい体質づくりに役立つ可能性があります。
・ビタミンE
ビタミンEには、血流を促すことで代謝を高める働きが期待できます。結果的に痩せやすい身体づくりに役立つでしょう。ただし、ビタミンEはアボカドのような高カロリーなフルーツに含まれている傾向があります。ビタミンEを意識的にとろうとすることで、結果的にカロリーをとりすぎる心配があるでしょう。
・食物繊維
食物繊維は、比較的早く満腹感を得られるうえに体内に残りやすいため、食べすぎの防止に役立ちます。また、インスリン分泌のバランスを保つことで、結果的に脂肪の蓄積を抑える働きもあります。
フルーツダイエットのやり方は?食べるタイミングと注意点
フルーツは高カロリーな食べ物のため、適切な方法で食事に取り入れることが大切です。間違ったタイミングで多量に果物を食べてしまうと、返って体重が増えてしまうでしょう。それでは、フルーツダイエットの方法やフルーツを食べるタイミングについて詳しくご紹介します。
フルーツダイエットの方法
1日あたりのフルーツ摂取目安量と、正しい方法についてみていきましょう。
・1日のフルーツ摂取目安量
フルーツダイエットに、1日のフルーツ摂取目安量は定められていません。ただし、ビタミンCの1日の摂取目安量からフルーツの目安摂取量を逆算できます。厚生労働省では、ビタミンCの摂取目安として、1日100mg程度をとることが推奨されています。100gあたりのビタミンCの含有量は次の通りです。
- アセロラ:1,700mg
- ゆず:160mg
- レモン:100mg
- キウイ(緑肉種):69mg
- マンゴー:69mg
- いちご:62mg
- オレンジ:60mg
- パパイア:50mg
- バナナ:16mg
普段の食事でもビタミンCを摂取しているため、フルーツは1日200g程度食べたほうがよいでしょう。結果的に、ビタミンB群や食物繊維など、フルーツに含まれる他の栄養を十分にとることにつながります。
・フルーツの置き換えはしない
フルーツダイエットは、フルーツを適度に取り入れるダイエット方法で、普段の食事と置き換える方法ではありません。食事と置き換えると、確かに痩せる可能性はありますが、栄養が偏ってしまう恐れがあります。そのため、下記のような献立を選ぶことが大切です。
- ゆで卵:半玉
- 生野菜:100g程度
- フルーツ:100g程度
- 小さめのおにぎり:1個or食パン半分
上記のような献立てであれば、フルーツでエネルギーを補いつつ、ダイエットによい栄養を十分に摂取できます。
フルーツを食べるタイミング
フルーツを食べるタイミングは、朝がおすすめです。朝は、これから活動するためのエネルギーを補給する必要があります。フルーツは、ご飯やパンと比べて血糖値の上昇がゆるやかなため、太りにくいことが特徴です。
普段のご飯や、パンの量を減らして、フルーツを取り入れましょう。そのほか、野菜やタンパク質も十分にとることが大切です。また、ビタミンCはとりすぎた分が排出されるため、朝と昼、夜にわけてフルーツを食べることをおすすめします。
フルーツを食べるときの注意点
フルーツを食べるときは、次の注意点を守りましょう。
・加工されたフルーツは避ける
ドライフルーツやジャム、缶詰などの加工品には、砂糖やブドウ糖が添加されています。そのため、フルーツをそのまま食べるよりも、多くのカロリーを摂取してしまいかねません。血糖値の上昇がゆるやかなフルーツのメリットが失われるため、加工品は避けることをおすすめします。また、加熱によってビタミンCが減少していることもデメリットです。
・食べすぎない
フルーツは太りにくい食べ物ですが、それでも食べすぎると体重は増えてしまいます。フルーツだからといって、どれだけ食べてもよいわけではありません。また、フルーツに偏ることで、タンパク質や脂質などが不足する恐れもあります。健康的に痩せるために、さまざまな栄養をバランスよくとることが大切です。
・皮ごと食べる
レモンやゆず、みかんの皮にも栄養が含まれているため、できるだけ皮ごと食べましょう。みかんの皮は、細かく刻んで料理の風味づけに使うのがおすすめです。皮が苦手な方は、無理に皮ごと食べる必要はありません。
ダイエットにおすすめのフルーツと控えたいフルーツ
すべてのフルーツが、ダイエットに向いているわけではありません。ダイエットにおすすめのフルーツと控えたいフルーツを詳しくみていきましょう。
ダイエットにおすすめのフルーツ
まずは、ダイエットにおすすめのフルーツからみていきましょう。
・キウイ
ビタミンCとビタミンE、食物繊維が豊富に含まれているため、ダイエットにおすすめです。さっぱりした味わいのため、食欲がないときでも食べやすいでしょう。また、ナイフで簡単にカットできて、いつでもすぐに食べられることもメリットです。忙しい朝の時間帯でも、気軽にフルーツを食べられます。
・いちご
ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。1個あたりのサイズが小さいため、量を調節しやすいことがメリットです。ただし、練乳をかけたりケーキにトッピングしたりすると、結果的にカロリーを多量に摂取してしまいます。いちごは、シンプルにそのまま食べることが大切です。
・柑橘類
オレンジやグレープフルーツ、キンカンなどの柑橘類には、ビタミンCが豊富に含まれています。それぞれに味が異なるため、飽きずに続けられるでしょう。
ダイエット中に控えたいフルーツ
それでは、ダイエット中に控えたいフルーツをご紹介します。
・バナナ
バナナは、食物繊維が豊富に含まれているため、ダイエット中に推奨されることが多い果物です。しかし、同時に糖質も多く含まれているため、太りやすい果物でもあります。ご飯に比べるとカロリーは低いものの、3本、4本と食べてしまうとカロリー過多になってしまいかねません。
食物繊維よりも、余分な糖質を細胞が蓄えることを抑えるビタミンCを意識的にとりたいところでしょう。
・りんご
りんごは、高カロリーで糖質量も多いことが特徴です。また、ダイエット中に意識的にとりたいビタミンCがほとんど含まれていません。メリットよりもデメリットのほうが大きいため、ダイエット中は避けたほうがよいでしょう。
・アボカド
アボカドは、ビタミンEを豊富に含む果物ですが、100gあたり187kcalと非常に高カロリーなため、ダイエット中にはおすすめできません。普段の食事に、アボカド100gを食べることは、白ご飯を半分以上増やすのと同じです。果物の中でも、特に高カロリーなため、ダイエット中はできるだけ避けましょう。
フルーツを正しく取り入れて効率的にダイエットしよう
フルーツには、ダイエットに役立つビタミンAやビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどが含まれています。ただし、すべてのフルーツがダイエットに向いているわけではありません。柑橘類やいちご、キウイなど、ダイエットに向いているフルーツを正しく取り入れましょう。
また、ダイエットの効果を早く感じたいという方は「メディカルダイエット」を検討してみるといいかもしれません。早めの効果を感じることでダイエット継続へのモチベーションも高まるでしょう。
監修者
河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医
- 日本レーザー医学会認定医ほか