医療脱毛は何回受ける?効果が現れる回数は?
2020/3/10
医療脱毛は、何回受ければ期待どおりの効果を得られるのでしょうか。エステ脱毛との違いについても、確認しておくことが大切です。脱毛回数を知ることで、計画的に施術を受けられるようになります。ここでは、医療脱毛を受ける回数やエステ脱毛との違い、クリニックを選ぶときのポイントなどを詳しく解説します。
医療脱毛とは
医療脱毛とは、医療レーザーを使用した脱毛の施術のことです。毛のメラニンに反応するレーザーを照射し、毛根に熱をためることで周囲の発毛組織を破壊します。エステで受ける光脱毛も同じ仕組みですが、発毛組織を破壊するのではなくダメージを与えるにとどまります。また、医療脱毛では発毛組織を破壊できるため、永久脱毛の標ぼうが認められているのです。
永久脱毛といえば、一生毛が生えてこなくなるイメージを持つ方もいますが、毛が生える量を減らすだけのため、いずれ産毛が生えてくる可能性があります。しかし、エステ脱毛よりも高い効果が期待できます。
医療脱毛とエステ脱毛の比較
医療脱毛とエステ脱毛には、どのような違いがあるでしょうか。詳しくみていきましょう。
施術回数
医療脱毛は、エステ脱毛よりも強力なレーザーを使用するため、少ない施術回数で脱毛できます。例えば、女性の場合、エステ脱毛は、10~20回程度の照射が必要ですが、医療脱毛は5~10回程度で済むのです。
脱毛にかかる期間
医療脱毛は、エステ脱毛よりも少ない回数で脱毛できるため、脱毛期間も短いことが特徴です。脱毛の施術は、2~3ヵ月に1回のペースで受ける必要があります。髪は、成長期、退行期、休止期のサイクルで発毛、成長、脱毛を繰り返しています。このうち、成長期の髪だけが脱毛効果を得られるのです。そして、成長期は2~3ヵ月に1回のペースでめぐってくるため、「2~3ヵ月×脱毛回数」の期間がかかります。
脱毛期間は、5回で医療脱毛が完了する場合は、「2~3ヵ月×5回=10~15ヵ月」、15回でエステ脱毛が完了する場合は、「2~3ヵ月×15回=2年8ヵ月~3年9ヵ月」です。
施術時の痛み
医療脱毛は、エステ脱毛よりも強力なレーザーを使用するため、照射時の痛みも強いことが特徴です。ただし、熱によって発毛組織にダメージを与える点は医療脱毛とエステ脱毛に違いはないため、エステ脱毛でも痛みを感じます。エステ脱毛だから我慢できる程度の痛みとも限りません。
また、医療脱毛を受けるのは医療機関のため、痛みに対して麻酔クリームを使用できます。しかし、エステサロンは医療機関ではないため、麻酔クリームを使用できない点は押さえておきましょう。
効果
エステ脱毛の効果は、医療脱毛よりも低く、ムダ毛が生えるまでの期間が短い可能性があります。
脱毛する仕組み
脱毛の仕組みに関しては、エステ脱毛と医療脱毛に違いはありませんが、エステ脱毛では発毛組織にダメージを与えるにとどまります。医療脱毛は、発毛組織を完全に破壊できるのです。
施術者と施術場所
エステ脱毛を行うのに、国家資格は必要ありません。研修を受けたスタッフが光脱毛を行います。また、医療機関以外の施設でエステ脱毛を行うことが可能です。一方、医療脱毛はクリニックや病院などの医療機関において、医師や看護師が行う必要があります。また、看護師が行う場合は、医師が監督しなければなりません。医療知識を持った専門家による施術を受けられるため、不安も少ないのではないでしょうか。
医療脱毛が効く毛の特徴と毛周期について
医療脱毛の効果には個人差があります。どのような毛に対して医療脱毛の効果が高いのか、毛周期の知識とあわせて詳しくみていきましょう。
医療脱毛の効果が高い毛の特徴
医療脱毛の効果が高く現れる毛の特徴は、「メラニンが豊富に含まれている毛」と「発毛組織と密着している毛」です。医療脱毛で使用する医療レーザーは、毛を色づけるメラニン色素に反応します。そのため、メラニン色素が豊富に含まれている毛は、医療レーザーに反応しやすく、熱をためこみやすいのです。
そして、ためこんだ熱が発毛組織に広がることで破壊するため、毛と発毛組織の密着度が高いほどに効果も高くなります。
脱毛は毛周期にあわせて受ける
脱毛を受ける際には、毛周期について確認しておきましょう。毛周期は、ヘアサイクルとも呼ばれ、成長初期、成長期、退行期、休止期を経て脱毛し、再び発毛するサイクルのことです。脱毛効果を得られる成長期の髪は、根が深いうえにメラニン色素も濃いことが特徴です。
退行期の毛は、成長期の毛と比べてメラニン色素が薄く根も浅いため、脱毛効果を得られにくいとされています。ただし、レーザー機器によっては退行期の毛にも効果が期待できます。そして、休止期の毛は根が非常に浅いため、蓄熱によって発毛組織にダメージを与えられません。
また、毛周期は部位によって異なるため、施術期間も合わせる必要があります。施術の間隔は機械にもよりますが、顔が1~2ヵ月、太ももとひざ下、VIOラインは1ヵ月半~2ヵ月、ワキは2~3ヵ月、全身は2ヶ月です。カウンセリングの際に、施術の頻度について詳しい説明を受けられます。脱毛完了までの通院スケジュールを決めて、忘れずに通うことが大切です。
医療脱毛の効果が現れる施術回数とは?部位別に紹介
医療脱毛を受けることで、いずれ自己処理が不要になります。ただし、毛の量を減らすにとどまるため、産毛が生えてくる可能性もあるでしょう。また、医療脱毛の効果が現れるまでの施術回数は部位によって異なります。正しい施術間隔と脱毛スケジュールを決めるために、以下を参考にしてください。
このように、顔やお腹、背中はVIOラインと比べて必要な施術回数が多いことが特徴です。また、VIOラインやワキの脱毛期間は、2~3ヵ月×4~5回=8ヵ月~1年3ヵ月です。水着を着る夏までに脱毛したい場合は、前年の春ごろから始めましょう。
医療レーザー脱毛が受けられるクリニックの選び方
医療脱毛を受けるクリニックは、レーザーの種類や料金、保証などに注目して選びましょう。それぞれ次のように選ぶことが大切です。
料金と総費用
医療脱毛の料金を確認しましょう。多くのクリニックでは、1回、5回、6回など複数のコースが用意されています。回数が多くなるほどに1回あたりの料金が安くなる傾向がありますが、本当に安くなるかどうかは自分自身でしっかりと計算しておくことが大切です。
また、脱毛の部位によって必要な施術回数が異なるため、慎重に回数を選びましょう。追加の照射料金が高い場合は、少ない回数のコースを選ぶことで結果的に総費用が高くなる恐れがあります。照射料金だけではなく、麻酔やシェービングなどのオプション料金も加味して、総費用を算出しましょう。
麻酔クリームが無料の場合もありますが、1,000~3,000円程度の別料金がかかることが一般的です。また、事前の自己処理が不十分な場合は、強制的にシェービングのオプションがついてしまう場合もあります。シェービングの料金は500~1,500円程度です。
このように、クリニックを受診する前に、さまざまな料金から総費用を算出しましょう。複数個所を脱毛する場合は、1回の料金が5,000円違うだけで、総費用に数万円の差が生じます。
保証の内容
クリニックによっては、医療脱毛のトラブルに対処するための保証があります。例えば、施術によってヤケドをした場合は、抗炎症薬の処方やアフターケアが無料になるというもの。また、医療脱毛後は、一時的に毛が増えたり硬い毛が生えてきたりする場合があります。このようなトラブルが起きたときにも、施術料金が無料になるクリニックがあるのです。
多くのクリニックで施術が無料になるケースとしては、打ち漏れやヤケドがあります。そのほかのトラブルは、無料にならないことが多いため注意しましょう。
早く脱毛したい方は医療脱毛がおすすめ!
できるだけ早く脱毛したい方には、医療脱毛がおすすめです。強力なレーザーで発毛組織を破壊して、スピーディに脱毛できます。また、クリニックよりもエステサロンのほうがさまざまなキャンペーンを行っているため、お得に感じるかもしれません。しかし、クリニックにも総費用を抑えられる仕組みがあります。
例えば、カウンセリングやテスト照射、アフターケア、再診料、打ち漏れやヤケドをしたときの料金が無料になるクリニックもあります。また、1回あたりの照射料金はクリニックのほうが高い傾向ですが、施術回数が少ないため、総費用はほとんど変わりません。
さらに、エステ脱毛は、医療脱毛と同じくレーザーを照射するため、肌トラブルや痛みのリスクを伴います。医療脱毛であれば、クリニックで医師による適切な対処を受けられるため、リラックスして通えるのではないでしょうか。
監修者
河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
- 日本抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医
- 日本レーザー医学会認定医ほか